AI技術の進展とネット印刷の今後についての考察

プリントエクスプレス代表の中村です。いつもご利用いただき、ありがとうございます。

生成AIとネット印刷の親和性


ここ数年の生成AIの進歩は瞠目すべき早さと驚きが常にあり、その進歩とネット印刷について、考察し行動に結びつけることが弊社の大きな課題となっております。

紙を媒体する印刷の時代は終わっていくという言説に真実味が深まる一方、物理的存在である印刷物にしかできない機能や魅力を如何に皆様に訴えていくかという、危機感を希望に変えるための経営指針のバージョンアップが必要となっています。

お客様側の変化

生成AIで出力した画像を印刷物の要素として取り込んで、イラストのクオリティが安価な印刷物でも大きく向上したという点がございます。小ロットの販促フライヤーにおいても著作権を気にせずに、インパクトの強い画像を作成できることは革命といってもよいでしょう。

さらにCanvaをはじめとする機能にAIを組み込んだクラウドデザインツールの著しいシェア拡大も見逃せません。Canvaは自社サービスに、各社の生成画像AIを複数取り込んでしまい、キャッチコピー等の生成も組み込まれつつあります。近い将来、テキストデータだけを放り込んで、印刷データを作成してしまうところまでいってしまうのも時間の問題でしょう。

ネット印刷会社の変化

まずはお客様のデータの最適化において、AIが実務的に大いに役立っています。既に多大な恩恵を受けているというのが現状です。特に「足りない塗り足しを補う」「足りない解像度を使えるクオリティにする」「間違ったテキスト情報をラスタライズされた画像上から取り除く」等のシチュエーションで絶大な力を発揮します。もちろんAI処理をしたデータはお客様に確認していただいておりますが、大抵はAIの力に驚き、お褒めの言葉をいただくことが圧倒的に多いです。

あとは宣伝広告用のコピーを考えてもらったり、ほしいけど見つからないイラストや写真を生成してもらうことで、マーケティングに大いに役立ってくれています。

今後のネット印刷とAIの関わり

弊社的には生成AIが印刷データを人間の代わりに作成するところまで進化することを予想してます。それは印刷データを作成する人の母数を増やすことにつながり、小ロットのオフセット印刷を特に得意とする弊社にはデメリットよりもメリットの方が遙かに大きいです。もちろん印刷データを作成することを生業としている皆様の将来が不透明になったことに関して懸念もあります。ただ人の欲望をデザインに完全に落とし込むにはデザイナーのスキルは別のベクトルから逆にますます重要になるとも考えています。

時代の変化は後戻りできません。AIがいくら進化しても物理的な手触りがある印刷物の存在感に代替物はありません。弊社は引き続き、お客様のデータを美しく印刷するためにお力になれるよう前を向いて進んでいきます。

 

プリントエクスプレスとAI

DALL·Eにて生成