Affinity Designer テキストのアウトライン化は不要です。

Affinity Designerに関してどのようなキーワードで検索されているかを調べてみました。予想外に多かったのが「Affinity Designer アウトライン 方法」という複合キーワードでした。厳密にいうと「フォントのアウトライン」です。

これは露骨にIllustratorの代替ソフトウェアとしてAffinity Designerが利用されている現状を反映しています。Illustratorで作成する印刷用の最終データはアウトライン処理が必須、という20年ぐらい続いている「お約束」が必要だと感じて、その方法が検索されているようです。

Affinity Designerはアウトライン処理なしのPDF入稿が前提

Illustrator使用時におけるフォントのアウトライン処理は、eps・aiファイル入稿がスタンダードであった時代のお約束です。「制作側にあって受付側にフォントがない」このシチュエーションから生じる問題を回避するために必須でした。また受付側にフォントがあってもバージョン違い・OSの違いでレイアウトが崩れる可能性がありました(ほぼ過去の問題ではあります)

前提としてAffinity Designerは「aiファイルを開くことはできても、保存することはできない」仕様です。ネイティブファイルの拡張子はafdesignです。当然このファイルはAffinity Designerでしか開くことができません。eps形式には出力できますが、epsは旧い旧い規格であるポストスクリプトに準拠した現在では非推奨のファイル規格です。

必然的にAffinity Designerで作成する入稿データはPDF出力が前提となります。そしてPDFファイルには、エンベッドといってフォントを埋め込む機能があるので、原理的にフォントのアウトラインは必要ありません。

2020年現在、Illustratorを利用してもPDF入稿が前提であればアウトラインは不要です。10年前は入稿データ不備の7割はアウトライン処理忘れでした。それも汎用フォントの普及とIllustratorの安定化によりリスクは減りました。繰り返しますが、PDF入稿前提であれば(特にPDF/X-4出力)であれば アウトラインは全く必要ありません。

Affinity Designerは新世代のソフトウェアです。新しいソフトウェアに、Illustratorのネイティブファイル入稿が一般的だった10年前の常識を当てはめるのは、意味がありません。印刷データの発注はPDF入稿がデフォルトです。そして、PDF入稿ならアウトライン処理不要が新しい常識です。