PowerPoint(パワーポイント)入稿のコツ

PowerPoint logoPowerPoint(パワーポイント)はマイクロソフト社製の世界中で愛用されているプレゼンテーション用ソフトウェアです。分かりやすいプレゼンテーションを行うために備えられた各種機能がWordよりも直感的にわかりやすいこともあり、弊社へ入稿されるMicrosoft Officeを利用したデータでは入稿点数もWordにひけをとりません。とはいえプレゼンテーションデータの作成に特化したソフトウェアですので、印刷データを作るためには、いくつかの押さえるべきポイントがあります。弊社の長年の経験で押さえておくべき三つのポイントを厳選いたしました。これを押さえれば、プロ用ソフトウェアで制作したデータに劣らない高品質な印刷ファイル作成が可能となります。

最大の落とし穴は正確なサイズ設定

プレゼンテーションに特化したソフトウェアですので、サイズの考え方が他のソフトと異なります。具体例で申し上げますと「A4と指定したのに主力したドキュメントサイズが違うサイズになる」という問題です。下記でその回避方法を詳細に説明してありますので、ご一読ください。

配置した画像の画質を落とさない設定

MicrosoftのOffice製品はその名の通りオフィスで最も使い勝手良くなるように設定されています。そのため高品質な印刷データファイルを作成する場合に、足枷となる初期設定がいくつかあり、それ解除する必要があります。最も厄介なのがデータが重たくならないように貼り付けた画像データを軽くする(画質を落とす)機能がデフォルトで備わっていることです。

印刷に最適化したPDFを出力するコツ

PowerPointで作成した印刷データを モニター上のイメージのまま印刷するのに、最も確実な方法はPDFファイル形式に変換して入稿することです。PDFに変換すれば、意図したものと異なるレイアウトやフォントで印刷されてしまうリスクを大きく減じることができます。
しかし、ここでもデフォルトで備わっているPDF変換機能は、やはりファイルの肥大化を防ぐため、必要以上にデータを圧縮してしまいます。これは美しい印刷物の制作ための大きな足枷となります。以下の方法でそれを回避することができます。


上記の方法はベターであり、ベストな方法は内蔵PDF変換機能を利用しないで、Adobe Acrobat DCをはじめとした、クオリティの制御が容易な外部のPDF変換エンジンをインストールし、それを利用してPDFファイルを出力することです。

PDFの知識が基本です。

PDFが印刷世界の共通言語です。

PDFアイコンPDFというファイルフォーマットは多くの人がご存じでしょう。しかしPDFの知識が印刷知識の基本といわれると首をかしげる人もいるかもしれません。PDFファイルは「どのような環境で開いてもレイアウトが維持される汎用共有書類フォーマット」を目指して1993年にAdobe社が開発したものです。その後、Adobe社主導で印刷世界の共通言語としての地位を固め2020年代においては揺るぎないデファクトスタンダードとなりました。

PDF前史としてのPostScript

PDFはその祖先にPostScriptという言語が存在します。PDFよりも歴史のある言語で、デジタルの世界で二次元を表現するための最初に作られたお約束といえば分かりやすいでしょう。そして2000年代前半まではDTPの世界はPostScriptで全てを記述することがスタンダードでした

PostScriptからPDFへ

PostScriptは汎用性を最大限重視していたので、紙の代替としての電子書類および印刷データのフォーマットとしては使い勝手が悪い点が多々ありました。とくにいわゆる透明効果・レイヤー効果を原理的に理解できないので、高度化するDTPソフトウェアのフォーマットとしては明らかに限界がありました。

そこでAdobe社は自社製のフォーマットであるPDFをDTPのフォーマットとしても積極的に利用する方向に舵を切りました。Illustrator9からエンジンがPDFに変更になりました。そして過渡的なゆえに評判が悪かった9を超えてIllustrator10からは安定した出力が担保され、最終フォーマットとしてのPDFの地位は盤石となりました

PDFへの切り替えが遅れに遅れた日本の印刷業界

Adobe社は2006年に早くもPDFの内容を印刷用に出力することを目的としたAdobe PDF Print Engine(APPE)というエンジンを作りました。透明を理解し出力も安定したAPPEは欧米では早くから普及しました。しかし日本では、その普及が10年以上遅れました。理由は日本の印刷業界は一度導入した印刷用機器を大切にメンテナンスして、長期間使い続けるという文化が根強く、PostScriptに最適化したシステムの償却までは、簡単には移行できなかったのです。また最終データに印刷現場が責任をもつという文化が根強く、最終データの修正のやりやすいソフトウェアのネイティブデータの入稿が長らく主流だったことも大きな理由の一つです。

PDF/Xを理解すれば全てが見えてくる

世界トレンドから遅れた日本のPDFと印刷の関係性も印刷機材の償却が終わる2010年代中盤から、PDFを中心としてしたワークフローに確実に移行が進みました。特に安定した出力が得られるメリットは、全国から多種多様のデータを集めるネット印刷業界とは相性がよく、ネット印刷(印刷通販)業界の拡大と共にPDF入稿もごく一般的になったようです。

印刷に特化したPDF/Xという規格

上記のようにPDFと印刷は極めて相性がよいのですが、Adobe社はPDFをDTP用のフォーマットとしてだけではなく、世界標準の「電子の紙」とする野望もありました。そうしてPDFの機能も拡張してきたのですが、当然、印刷に関係の無い機能は印刷データとしては出力エラーの原因となってしまいます。そこでAdobeは、まず従来PostScript機器とも互換性が保てるPDF/X-1aという規格を推奨しました。これは透明は理解できない規格ですが、その欠点ゆえに従来機器からも出力できるという過渡的な規格でした。過渡的な規格にもかかわらず2020年においてもPDF/X-1aを推奨する印刷所が散見されますが、これは明らかに勉強不足というべきでしょう。

究極の最終フォーマットPDF/X-4

更に過渡的なX-3を経て現在業界基準となっているのがPDF/X-4です。透明やレイヤーを保持できるので、出力したPDFに忠実に印刷することが可能です。APPEも提唱されて既に15年超の枯れた規格ですので、ほぼ出力エラーは回避できます。

手持ちのソフトウェアではPDF/X-4出力できないんだけど・・・

これはよくある誤解ですが、印刷機にかける刷版の前にこのフォーマットに変換されていれば問題ありません。お客様側で可能な最高品質のPDFで描き出していただければ、印刷会社の方で適切に変換されますので、ご心配には及びません

PDFの確認はAdobe純正のAcorobatを利用しましょう。

このように安定した出力をお約束できるPDF入稿ですが、それはAcrobatで再現できる見た目を印刷するという前提に立っています。そのため他社製のPDFビューワーや、特にMac内蔵のビューワーで見た場合と実際の印刷結果がことなるエラーが稀に発生します。とりわけMacユーザーはAdobe純正のAcorobat Readerを必ずインストールしましょう!

Acrobat Readerのダウンロードはこちらから

 

対応ソフトウェア一覧

弊社が入稿を受け付けているソフトウェアの一覧です。

Adobe

  • Illustrator
  • Photoshop
  • InDesign(PDFに出力した場合のみ対応可能)

PDFファイルへの出力前提で対応

  • Affinity
    • Affinity Designer
    • Affinity Photo
    • Affinity Publisher
  • Apple Pages
  • Microsoft Office
    • Word
    • Excel
    • PowerPoint
  • ジャストシステム 一太郎・花子

 

注:上記以外のソフトウェアでもPDF出力前提に最大限対応致します。

PDFファイルを利用した入稿がこれからのスタンダードです。

ネット印刷・印刷通販のご利用において
PDFファイル入稿はデファクトスタンダードです。

理由はシンプルです。現在の印刷の世界はPDFファイル形式を前提にすべてがオペレートされているからです。少し専門的になりますが、日本はかなり世界潮流から遅れたのですが、それでも5年前ぐらいからは出力機がそれまでのポストスクリプトという言語からPDF技術を前提とした仕組みに変わりました。故にPDF形式で入稿いただければ原理的に出力エラーは極めて生じにくくなっています。

実はIllustratorの内部処理もPDF言語で行われています。

ながらくネット印刷会社にとって理想の入稿データは「epsファイル」「aiファイル」でした。しかし前者は旧規格であるポストスクリプトを前提としたファイルです。そして後者はバージョン10以降は内部処理はすべてPDFの書式に則って行われています。Illustrator10以降といわれると(厳密には9以降)そんなに昔から?と思われる方がほとんどだと思われます。ながらく「入稿ファイルはeps」とされてきたのは現場の出力機がポストスクリプト前提だったからです。その出力機器の償却がようやく終わってPDF準拠の出力機が主流を占めるようになったのが日本ではおよそ5年前というわけです。

こんなにあるPDF入稿のメリット

PDFファイル形式で入稿すればこれだけのメリットがあります。

工場での処理がPDFベースなので出力エラーが極めて生じにくい

前述したように現代の出力の現場はPDFが前提です。PDFで入稿されたデータが出力側で誤変換されるということはほぼありません。(特に近年はそうです)

アウトライン忘れ、リンクファイル欠けといった頻出の入稿エラーを回避できる。

PDFはフォントをエンベッドという手法でファイルに埋め込んでしまうのでアウトライン処理をする必要がありません。またPDFを出力する際にリンクファイルをすべて内包してしまうので、リンクファイルが欠けて再入稿というリスクが生じません。

品質を落とさずファイルサイズを大幅に小さくできます。

PDFファイルはその変換を適切に行えば劣化ゼロでファイルサイズを三分の一から十分の一まで縮小できます。アップロードがなかなか終了しないというイライラがなくなります。

PDFファイルに変換すれば作成ソフトの違いから生じる問題の多くを回避できます。

これに関しては同業者の中でも異論があるかもしれません。たしかに四,五年前迄はソフトウェアによっては出力するPDFに癖があって、正確に出力できないというリスクが確実にありました。しかし、出力側の進化とPDF技術の汎用化によって、処理に困るPDFというのは滅多に見られなくなりました。少なくとも一般的な知名度のあるソフトウェアが出力するPDFファイルが出力の足枷になるということは弊社の経験則では近年まったくありませんでした。

【重要】ただしPDFファイルならなんでもOKではありません。

上述のようにPDFはその汎用性で印刷用のファイルの基準になりました。しかし、ご存じのようにPDFファイルは印刷のために特化したファイルではありません。むしろ違う用途での利用が社会的に重宝されているのは、皆様がご存じの通りです。故に印刷原稿としてPDFを出力するためには、そのための事前設定が必要です。

しかし設定は難しくありません

Illustrator・Photoshop・InDesign等のAdobeのソフトウェアならば、PDF出力の際に「PDF/X4」という規格を選べばまず問題ありません。(ただしデフォルトのPDF/X4は日本人的品質要求から鑑みるとすこしデータの圧縮が強すぎるので、スキルのある方は若干設定を弄った方がよいです)Adobe系のソフトウェアでなくても、それぞれのソフトウェアの設定で一番高画質のモードで出力すれば大丈夫です。(このあたりがアバウトでも問題なくなったのは最近なのですが・・)

疑問点はなんでも弊社にお問い合わせください。

弊社は最初の起業時は「PDF入稿専門」を掲げたほどPDF入稿についてはこだわりがあります。PDF入稿についてご不明な点がありましたら、なんなりと弊社にお問い合わせ願います。